健康祝い金付きの医療保険って本当にいいんですか?
30代女性
健康祝い金付きの医療保険というのは、何年かに一回、5万円や10万円といった『祝い金』というものを受け取ることができる医療保険のことです。
但し、これは無条件に受け取れるというわけではありません。
入院や手術による給付の有無や、入院日数によっては受け取ることができません。
このご相談者様の場合は、入院や手術による給付が3年ごとにある祝い金受取対象の期間中になければ受け取れるというものでした。
入院日額5000円、手術2.5万円か10万円の保障です。
日帰りの入院と手術を受けた
この相談者様は契約日から3年以内に日帰りの入院と手術を受けられました。
この保険は2日以上の入院で入院給付金が受け取れるものでしたので、対象となるのは手術給付金のみ。
よって2万5千円の請求が可能でした。
ところが、ここで保険金を請求してしまうと次の健康祝い金10万円を受け取ることができません。
よって請求はせずにその祝い金を受け取るまで待っておくことになりました。
そこで「何のための医療保険なの?」と疑問に思われたそうです。
当たり前ですよね。
特にこの医療保険の場合は日帰りでも入院や手術をしていると、次の祝い金は受け取れないという最悪な条件です。
保険料は祝い金なしの医療保険に比べても高いわけですから、このケースだとかえって保険料を多く払ったことになります。
医療保険が必要になる状況は?
例えばあなたが10日間の入院をした場合、医療保険って必要でしょうか?
たったの10日くらいだったら貯蓄などでどうにでもなりますよね。
では40日ではどうでしょうか?
どうにかなるかもしれませんが、保険がないと困るかもしれませんね。
では120日では?
というように、本来医療保険というのは長期間の入院で金銭的に困るので、それをカバーするために加入するものです。
ところがこの健康祝い金付き医療保険というのは、入院をしない、もしくは短期間の入院ということを条件に、祝い金が支払われるようになっています。
祝い金を受け取ったところで、支払う保険料自体はそれほどお得なわけでもなく、この相談者様が加入している医療保険も、約5500円の保険料のうち、約3000円程度が掛け捨てに該当していました。
2500円を3年間預ければ1万円増えて10万円が受け取れますよ、などという説明を受けたのかもしれません。
例えばこの保険で、30年間のうち1度だけ保険を使ったら、受け取れる祝い金は100万円から1回分(10万円)なくなって90万円となります。
何事もなければ3年間につき1万円得するという保険です。
でも1度でも受取損なうと10万円の損ということになります。
30年かかってやっと得する部分が吹っ飛びます。
それでも祝い金付きの保険って加入する価値があると判断できるでしょうか。
大きな矛盾
祝い金付きの保険というのは大きな矛盾があります。
医療保険というのは長期入院に備えるものです。
ところが、祝い金付きの医療保険は保険を使わなかったり、短期入院でなければ祝い金が受け取れません。
本来の医療保険の役割を果たした場合は受け取れないのです。
そうであればその医療保険に加入している意味ってあるのでしょうか。
祝い金を受け取ることが目的なのであれば、そもそもその医療保険に加入せずに、祝い金に回される保険料を全額貯蓄する方がいいのではないでしょうか。
「掛け捨ての医療保険+貯蓄」にしたり、いっそう医療保険に加入せずに全額貯蓄したり。
保険がないのが心配であれば、60歳や70歳で主契約の保険料のうち、使わなかった分が全額戻る保険や、定期タイプの保険に入っておくというのも一つの方法だと思います。
祝い金付きの医療保険を検討される場合は、祝い金を受け取れる条件や、祝い金なしの医療保険との比較などをし、本当に有利なのかどうかを判断してくださいね。