学資保険に加入する目的を考える
夫:30代 妻:20代
もうすぐ子どもが生まれるので学資保険に加入したいという相談でした。
そもそも学資保険の目的は一体なんでしょうか。
保険という名前がついているわけですから、何かリスクをカバーするものがあるはずです。
「学資」なんていう名前がついていますが、中身はほぼ「養老保険」です。
子どものためにお金を貯めておきたい、返戻率が高いものを選びたい、
そういう要望が多い気がします。
しかし本来の目的は、「親に万が一のこと(死亡)があった場合に学費を確保する」ということです。
では学費を確保しなければならない状況というのは死亡だけでしょうか?
大きな病気をして収入が減ってしまう場合にも困ってしまいますよね。
そこも一緒にカバーしなければいけません。
各家庭の貯蓄状況、どういう状況で学費を貯めるのに影響が出るかなど、それは様々です。
単に「子どもが生まれたかから学資保険」ということではなく、どういうリスクに対応しなくてはいけないかを考えなければなりません。
例えば貯蓄が十分にあるご家庭の場合、学費分が用意できているのであれば学資保険は不要です。
今回の相談者様の場合、既に終身保険の15年払いのものに5年ほど前に加入されていました。
月払いも2万円ほどで、生まれてくるお子様が18歳になる頃には400万円ほどの解約返戻金があります。
死亡保障も700万円ほどありました。
よって、新たに学資保険に加入する必要はありませんでした。
それよりも脳卒中、がんなどの病気によって働けなくなることを心配されていました。
その結果、本来学資保険の為に考えていた保険料は保障に充てることになりました。
これも掛け捨てのものではなく、老後の資金として使えるように、貯蓄性のある三大疾病保障保険の終身型に加入しました。
保険金額1000万円ほどですので、掛け捨てのがん保険に加入する必要もありません。
このようなケース以外にも、生活が厳しいが子どもの為に学資保険に加入しようと考えている場合、
ギリギリの生活であれば途中で保険料が払えなくなるリスクがあります。
そうなってしまっては元本割れですから学資保険に加入する意味がありません。
そんな状況の場合は死亡保障は収入保障保険などに加入しておき、学費に関しては現金で貯める方が安全です。
銀行の積立定期預金などを活用すれば、途中で積立金を増やしたり、減らしたりすることが自由にできます。
元本割れの心配もありませんし、自動的に普通預金口座からお金が積み立てられますので、貯金が苦手でも大丈夫です。
今の時代、保険でお金を増やそうと思っても殆ど増えません。
それよりもいつか金利が上昇したときに、学資保険ですと契約時の金利のままで不利にもなります。
わずかな返戻率にこだわって学資保険を選ぶのではなく、あなたにとってのベストな方法をきちんと考えましょう。