外貨建ての保険は保険料にも気をつける
30代女性
将来の為に自分年金を作っておくという目的の方でした。
現在加入中の保険がドル建ての養老保険でした。
円建てのものよりも利率が高く、将来の返戻率がよくなるからと勧められ加入したそうです。
確かに利率と返戻率に関しては良いかもしれません。
但し、それはドルという通貨で考えた場合です。
この保険を考える場合、為替のリスクをよく考えなければ大変な目に合うかもしれません。
為替の円高、円安によって将来の円での価値が変わるわけですが、大切なのは将来だけではありません。
保険料そのものも月払いの場合は毎月の為替レートによって変動します。
加入時に円高だった場合、そのレートを基準にして支払う保険料を決めていた場合、将来円安になったときに想定以上の保険料になってしまうことになります。
例えば1$=80円のときに契約し、1$=120円になったら支払う保険料は1.5倍にもなります。
月に1万円ずつ払っていこうと思っていても、15000円が必要になってきます。
この相談者の方もまさにこのようになっていました。
支払う保険料が高くなってしまい、このままでは支払い続けられないと。
しかも契約は60歳まででしたので、この先もどうなるかわかりません。
そこでこの保険については払済みにして支払いをストップすることにしました。
これまで支払った保険料は続けて運用されるので、将来の返戻率も100%以上になります。
円安が進んでも関係ありませんし、むしろ円で受け取るときに円安だと有利ですから。
為替リスクを回避するには、一時払いで支払ったり、前納する方法があります。
長期間の支払いの場合は支払い保険料が1.5倍~2倍になっても払えるくらいの余裕が必要です。
為替に詳しい人でしたら、FXなどを使って支払い保険料の上昇リスクを回避する方法もあります。
担当者が実際に為替に詳しくなければ、その方法を教わることもできませんが。
それでも売れてしまう、というのはやはり恐ろしいことだと思います。