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介護保障っているの?
多くの方は医療保険に興味を示しますが、介護保障保険の話をしても、「今はいいです。」と言われることが多いです。
介護なんてまだまだ先の話だからでしょう。
あなたはどうですか?
もし同じように思われているなら、今回の内容はしっかり読まれてください。
きっと役立つと思います。
私の身内には要介護認定者がいました。
実際にその様子や周囲の人の苦労を見ていると、介護というのがいかに大変なことかがわかります。
病気であれば入院すればその後は病院が対応してくれるので負担は少ないです。
そして回復すれば退院できます。
介護の場合は老人ホームか、自宅になると思います。
老人ホームには入れるとは限りませんし、費用も高いです。
資金がなければ自宅しか選択肢がなく、家族に迷惑がかかります。
何といっても、終わりが見えません。
まさに社会で問題になっていることですね。
介護がきっかけとなって、本人たちばかりでなく、親の介護のために離職などしてしまったら、今度は自分たちが資金不足になって、老後破綻してしまうというリスクもあります。
介護保障保険が必要かどうかということよりも、介護に必要な資金をしっかり準備しておくということは、とても大切なことだと思います。
医療保険だけじゃ駄目なの?
医療保険は入院や手術、特約を付けていればそれに対しても給付金が支払われます。
しかしメインはあくまで入院です。
介護認定されても入院を伴わなければ給付金は出ません。
もちろん、介護については現金で貯めておくのであれば、介護保障保険に加入しなくてもいいと思います。
だからといって、医療保険を日額1万円にするのなら、日額5000円にしておいて、残りの余力を介護保障に充てる、というようにリスクを分散する方が良いかと思います。
医療保険の記事でご紹介していますが、一番必要となるのは老後なのです。
介護が一番必要となるのも老後です。
では介護と医療、どちらが重要でしょうか?
考えてみることにします。
介護認定者総数と入院患者数
平成28年 厚生労働省 介護保険事業状況報告より
65歳以上の介護保険の第1号被保険者数は約3400万人です。
そのうち要介護、要支援認定者数は約620万人です。
この約620万人のうち、要介護認定者数は約440万人です。
約13%にもなります。
平成26年 厚生労働省 患者調査より
65歳以上の入院患者数は約94万人です。
つまり65歳以上の要介護認定者数は、入院患者数の4.7倍近くにもなるのです!!
しかも入院は短期化してきています。
一般病床の平均在院日数は、
平成10年は29.3日でしたが、平成27年には16.5日になりました。
国は高齢化によって増え続ける国民医療費の伸びを抑制するため、入院日数の短期化を続けていくことが予想されます。
それだけでなく、従来は開腹や開胸などの大きな手術が必要だった胃がん、大腸がん、狭心症、心筋梗塞などの病気も、内視鏡や腹腔鏡、カテーテルでの手術によって、入院日数が短期化されています。
この結果を見ると、65歳以上では医療よりも介護の方が重要だということがわかってきますね。
試しに30歳女性の場合で保険期間を終身、65歳払込終了にし、日額1万で設計した医療保険と、日額5000円で介護特約を200万円付加した医療保険を比較すると、保険料はほぼ同じです。
男性の場合ですと、介護特約を付加した方が安くなります。
医療保険を使う可能性が最も高いのが65歳以上だと考えると、入院日額1万円の保障よりも、日額5000円に落として、介護特約を付加した方がリスク分散になると思いませんか?
この保険会社の場合は要介護1で支給されますので、給付条件も緩くなっています。
なぜ介護認定者総数は増えているか
日本人の平均寿命が延びているのはご存知のとおりです。
それは医療技術の進歩などで、死亡率が下がったからですね。
日本人の三大死因である三大疾病。
今では第3位が肺炎となり、脳血管疾患は4位になりました。
年齢調整死亡率という、高齢化などの年齢構造の変化を除いた死亡率では、三大疾病による死亡率は大幅に下がりました。
死亡率は下がりましたが、厚生労働省の調査で、介護が必要になった理由の上位は、脳卒中と、同じく脳の病気である認知症が多数を占めています。
これからますます高齢化が進むことを考えると、要介護認定者数は増え続けることが予想されます。
同時に、介護保険料や、自己負担の金額も上がるでしょうから、今の制度で老後の介護費用を算出してもおそらく足りないのではないでしょうか。
介護保障保険の種類
民間の介護保障保険は次のように分けることができます。
- 要介護1で給付対象になるもの
- 要介護2で給付対象になるもの
- 要介護3,4で給付対象になるもの(おすすめできません)
- 貯蓄性のあるもの
- 掛け捨て
- 給付が一時金1回で終わるもの
- 給付が年金形式で契約時に決めた回数受け取れるもの
- 給付が亡くなるまでずっと続くもの
- 認知症限定で給付されるもの
これらが組み合わされています。
1や8などの条件が緩いものは掛け捨てになります。
ではどういったものが良いのでしょうか?
介護保障は介護保障保険として単品のものもあれば、医療保険や終身保険の特約として付加できるものがあります。
考え方もいろいろありますが、いくつか例を挙げてみます。
介護になるならないに関わらず老後の資金を貯めたい場合
掛け捨ての介護保険だと介護認定者にならなければ無駄になります。
介護に関係なく老後の資金を貯めておくことは大切です。
そこで終身保険型の介護保障保険を活用します。
終身保険と同じように、保険料支払い期間が決まっており保障は終身です。
解約返戻金も貯まります。
もし要介護2に認定されてしまったら、設定した保険金が支払われます。
年金支払いで受け取ることもできます。
もし介護認定されずに亡くなってしまった場合も、同じ額の保険金が支払われます。
死亡保障として持っておき、亡くなる前にお金が必要な介護になってしまったら、という考え方での加入でもいいと思います。
保険料の支払いが終わる頃には、解約返戻金も100%近くになっていますので、時期をみて解約し、老後資金として活用することもできます。
但し貯蓄性があるので保険料は高めになります。
運用としてはあまり増えませんので、老後の資金を貯めるということをメインに考えると良いと思います。
介護状態になるのがとにかく心配
介護状態が一番不安であれば、もし介護認定されたら、保険金をずっと受け取れる終身介護特約を付加します。
医療保険や終身保険に付加できる商品があります。
要介護2に認定されると、設定した介護一時金と、年金形式で設定した介護年金を受け取ることができます。
終身介護ですから亡くなるまで受け取ることができます。
終身ではなく給付期間を5年などに決めることも可能です。
保険料を安くするために、一時金を上げて、敢えて給付期間を限定するという方法もあります。
掛け捨てにはなりますので、費用の配分は考えましょう。
医療より介護を優先!!
医療保険は貯蓄で賄ったり、入院日額を減らして、要介護1で給付される介護保障を優先します。
医療保険や終身保険の特約として付加できます。
一時金は500万円まで付加できますので、老後の安心としては大きいです。
この記事でも書いていますが、入院は減少傾向で、500万円受け取るには日額1万円の入院保障の医療保険だと500日も入院が必要です。
(手術などを考えなければ)
一方介護保障特約は要介護1に認定されたら、500万円に設定していればそれだけ受け取れます。
データから確率を考えると、この方法の方が合理的かもしれません。
掛け捨てなので、介護認定されなければ無駄になります。
しかし医療保険に加入していても入院しなかったり、入院しても数日であれば支払った保険料以上にはなりません。
そう考えると要介護1という緩い条件で給付される介護保障特約は、医療保険に入る感覚で加入するのもいいかもしれません。
老後破綻しないために
医療保険の記事でも出てきましたが、こちらのグラフをご覧ください。
<厚生労働省「患者調査」/平成26年より>
入院で病院のお世話になるのは圧倒的に65歳以上です。
保険を考えるうえで、老後どうなのかということを意識しましょう。
現役時代に「これくらいの保険料なら払えるからいいか。」という気持ちでよく考えないで勧められた保険に加入する、というようなことをするといざ老後を迎えたとき、貯めておいた方がよかったとなりかねません。
保険というのは、もしものときに『お金』が出るだけです。
その『もしも』がなければ、掛け捨て保険の場合は何も出ません。
しかし生きている限り『老後』は必ずやってきます。
逃れることはできないのです。
老後を迎えたとき、どんなことにお金が必要になるか、どういうリスクがあるのか、今やれることは何か、ということを考えてください。
今現在の病気のリスクを考えることも大切ですが、確率はかなり低いです。
それに比べて老後を迎える可能性は90%以上です。
保険料を無駄にかけすぎず、老後資金を貯めるということや、今回の記事にある介護のリスクも意識されてください。